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ししんざん かくほうじ至心山 覚法寺

中山道と三国街道、信州街道が分岐する地にあり、江戸時代の古謡に「お江戸見たけりゃ高崎田町」と唄われるほど栄えた高崎(今の群馬県 高崎市)。城下町の名残であるお堀のすぐ側に、覚法寺はある。

門をくぐり、お庭の清々しさに心が洗われるような気持ちで歩みを進め、本堂にあがって思わず小さく息を吐く。凛々しく整えられた内陣、素晴らしい天井絵、隅々まで行き届いたお堂の美しさ。自ずと背筋が伸びる心持ちになる。

お寺を守るのは、15代目となる嵯峨宣正住職。荘厳や仏花などの形式美を愛し、少しでもご門徒の皆さんに心穏やかな気持ちで仏様に手を合わせてほしいと、場を整えている。

安土桃山時代に建立されて以来、代々の住職に受け継がれ、覚法寺は長くご門徒たちの心の拠り所であり続けているのだ。

歴史

1580(天正8)年、安土桃山時代、京都 嵯峨野の二尊院にいた嵯峨存諦が、浄土真宗の教えに臣従し、御本山の命を受けて、箕郷町(群馬県)のご城下に寺院を建立したのが、覚法寺の始まりだとされる。その後、高崎に城が築かれ、覚法寺も場を移した。

確かな資料が現存していないのは、寺院が何度か火災を経験しているためで、特に幕末の火災で本堂のほとんどを消失。当時の住職によって火災から守られた御本尊様と、七高僧、聖徳太子のお掛け軸だけが、建立当時のまま残されている。

幕末以降、再建された本堂だが、当時あったのは現在道路のある場所。1978(昭和53)年、都市計画によりお寺を移動させる案が浮上。180 度回転させながら25m後ろまで曳家によって移したのだ。大きな伽藍をそのまま曳家するという計画は、当時、大手新聞によって特集を組まれるほどの一大プロジェクトだった。

その後、鐘楼堂、山門が建てられた。さらに2013(平成25)年には、傷みの目立つようになっていた本堂の屋根、内陣の極彩色などの三か年に及ぶ修復を終え、落慶法要を迎え、現在に至っている。

安土桃山時代より姿を変えてきた覚法寺。代々の住職とご門徒の力によって大切に守られてきた歴史がある。

 

 

住職インタビュー

【住職】嵯峨 宣正(さが せんしょう)

■形式美に惹かれ続けてきた仏花と雅楽

私は20歳の時に先代住職である父を亡くしました。当時一般の大学に通っていましたが、急遽中退し、得度して住職になる資格を取りました。そのため、お作法やお勤めなどさまざまなことについては実践の中で学んでまいりました。

その中でも、昔から浄土真宗のお荘厳(本堂のお飾り)に興味があり、お東(浄土真宗 大谷派)の住職である叔父の勧めで仏華(内陣を飾る花)を生け始めました。ご本山の仏華にならい、立花形式(一つ一つ花を組んで生ける方法)で生けています。花材や形は独学で試行錯誤しながら、どうやったら本山のような美しい花を生けられるのか苦労しながら、法要の時だけでなく普段も立花形式でお荘厳しています。形式美を大切にし、常に美しく整え、ご門徒に気持ちよく本堂にお入りいただけるよう心掛けています。また自分自身のも毎日身が引き締まる思いでお内陣に上がらせていただきます。

もうひとつ、私が続けてきたことに雅楽があります。私が住職を継承させていただく法要の際、築地本願寺雅楽会の方々に奏楽していただいたご縁で、私自身も築地本願寺雅楽会に入会させていただきました。師匠の音色に感動し、いつかは少しだけでも師匠のような音を出してみたい、とずっと努力していますが、まだ一度も出せていないですね。また、舞楽も学び、築地本願寺の本堂で舞わせていただいたのも思い出のひとつです。

宗門校に通わなかった私には、同世代の僧侶の仲間がいませんでした。雅楽を学ぶ場で良い仲間に恵まれ、共に歩めたことは、僧侶として生きるうえで大切な機会だったと思っています。

 

■故人を偲び、最後の夜をともにするお通夜を大切に

近年、気がかりに思っていることに、お通夜をやらない世の中になってきたということがあります。新型コロナウィルス流行の影響や家族葬が広がっていることも一因でしょう。しかし、私は、お通夜には大きな意味があると考えています。もしかしたら、葬儀よりも大切だというような気さえしています。葬儀というのは粛々と終わっていくものですが、お通夜は、故人を偲び、最後の夜をともにする大切な時間。この日ばかりは、日常を送るのではなく、故人とともに大切にお過ごしいただきたいのです。もちろん、それぞれの家のご事情があると思いますので、ご門徒のみなさまにはそのようにお話をし、できるだけお勤めいただくようにしています。

葬儀・法事・法要

葬儀・法要については150人程度まで収容可能です。
また食事やおとき手配は行っておりませんが、ご遺族控室がございます。

お墓

一般墓のほかに合同墓があり、永代経も承っています。
生前のお申し込みも可能です。お気軽にご相談ください。

イベント情報

常例法話会(毎月21日)

法要・お勤め(随時)

  • 1月3日       修正会
  • 4月21日 永代経法要
  • 11月3日  報恩講

寺院情報

寺名(ふりがな) 至心山 覚法寺 (ししんざん かくほうじ)
開門時間 6時~18時
住職 嵯峨 宣正(さが せんしょう)
郵便番号 〒370-0814
住所 群馬県高崎市嘉多町53
電話番号 027-322-2125
交通

《電車》
・JR高崎駅より徒歩19分
・JR北高崎駅より徒歩15分

駐車場 30台
地図