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みょうにょさん こうそんじ明如山 光尊寺

栃木県那須塩原市、JR西那須野駅から車で約10分。歴史を感じるには十分なほどの高さまで育った杉林の中に入ると、手入れの行き届いた庭園が広がり、光尊寺の本堂が姿を現す。本堂の前でひときわ目立つのは、樹齢130年を超える、大きな銀杏の木。寺の歴史と共に年月を重ねてきたものだ。さらに、開創した浄土真宗本願寺派第21代宗主の明如上人によって植えられた松には、「とことはに栄える松を庭に植えて かわらぬ法のしるべとやせん」という一首も添えられ、「しるべの松」と呼ばれている。

「庭はすべて門徒さんたちが、手入れをしてくれてるんです」と、5代目住職の丘正法氏。光尊寺が人々に愛され、親しみのある場所であることを、目の前に広がる美しい景色が教えてくれる。

歴史

光尊寺の歴史は、明治時代に行われた、那須野が原開拓まで遡る。開拓のために主に北陸地方から入植した人々は、水不足や那須山から吹きおろす雪混じりの風などの厳しい寒さで苦労するなか、拠りどころとなる場所が必要であった。そんな中、1887(明治20)年7月20日、本願寺宗主明如上人が北海道ご巡教のために京都を出発。その途中、那須野が原開拓事業を視察されることになった。現地の現状を目の当たりにし、開拓者らの厚い要望にて上人自ら私財を投じて開創。寺号は本山直属の「那須本願寺」とした。

1889(明治22)年7月に本堂建設を着工。数年後には寺号を那須本願寺より「明如山 光尊寺」へ変更された。

住職インタビュー

【住職】丘 正法(おか まさのり)

■とにかく誰でもウェルカム! 50年間続けてきた場づくり

私が小学2年生か3年生の頃にはこの本堂が建ったので、今年でもう50年になりますね。父がこだわった椋の木で仕上げた建物で、サッシも昔のまま。私が子どもの頃から変わりません。寺を継いだときには、まずは門徒さんが親しみやすい、気軽に来られやすい場所を目指しました。ともするとお寺はお葬式と法事だけのお付き合いになりがち。どうしても敷居が高くなってしまいます。でもここの門徒さんは、本当に気軽に来て、本堂に上がってお参りしてお茶飲みながらお話しして帰っていかれます。

今では当たり前のそんな雰囲気の場づくりに一役かってきたことのひとつに、父が始めた、地域の子どもたちにとっての遊び場所としての場づくりがあると思います。近年は新型コロナウィルス感染症の流行により実現できていないのですが、夏には毎年子ども会を開催していました。お家を離れ、仏さまの話を聞いたり、みんなで寝食を共にしたり。温泉にも行ったりしましたよ。多い時は50人。50年前くらいより続いてきた行事ですから、子ども会に参加した方が親になり、その息子さんたちが来るようになったりして。私も子どもの頃に参加して、楽しかった思い出になっています。寺を子どもたちの遊び場にすることで、父は親しみやすい場づくりをしてきたんだと思います。とにかく、どなたでも。今の言葉だとウェルカム!ですね。私もその思いを引き継いできました。子ども会も早く再開できたら良いなと思っています。きっと子どもたちも、楽しみにしていると思うんです。

 

■「報恩感謝」を忘れずに

大切にしているのは感謝の気持ち。「報恩感謝」という言葉です。

私自身がこのことを実感したのは、22歳から14年間、築地本願寺に奉職させてもらったことがやはり大きかった。何もわからない私を育ててくださったのは築地だと思っています。朝はご本堂のお掃除から始まり、仏飯米をいただいて。そのときに「いただきます」っていう言葉をありありと実感しました。感謝する気持ちですね。

築地本願寺の仏飯米、実は、うちの門徒さんで農家のみなさんがお納めくださったものを、奉納しているんです。51年間も続いていて、毎年1トンにもなりますよ。秋になると、何も言わなくても、皆さんのほうから「お米ができましたよ」と、持ってきていただけるんです。まるで親戚の家に届けるような感覚で。大きな家族のような感じですよね。

 

■門徒さんたち想いが地域へと循環する場所

光尊寺の門徒の皆さんは、寺は特別な日にだけ来る場所ではなく、日常的に自分たちの居場所として関わってくださっています。たとえば、いつでもお寺に来てお茶でも飲んでいってもらいたいと、本堂にテーブルを置いておけば、婦人会の皆さんが自主的にお茶を用意してくれますし、暑い季節には冷蔵庫に冷たい飲み物を用意してくれて。そのおかげで、お寺を訪ねてきた皆さんのくつろぎの場所になっています。他にも夏の間には皆さんが草刈りにも来てくれるのですが、今日は誰の担当などと日にちを決めるのではなく、自主的に時間が空いたら行きましょうと順番に来てくださるんですよね。今日も庭にできた窪地のお手入れをしに門徒さんが来てくださっているのですが、私の方からお願いしたわけではないんです。皆さん、本当に自主的にやってくださって。寺が成り立っているのは、本当に門徒さんたちのおかげ。田舎ですから門徒さん同士の繋がりも強く、寺はその中心にある場所なのだと。大きな家族のような感じなんです。みなさん、「住職」って呼んでくださいますが、敬うというよりも、より親しみをもって呼んでくれているんです。

葬儀・法事・法要

いつも話しているのは「感謝の気持ちを忘れないでください」ということ。感謝は、決して難しくはないけれど、なかなかできないこと。親に感謝をする、今生かされてることに感謝するなど、社会や自然の恵みなど身の回りの全てに感謝して恩を返す「報恩感謝」という言葉を大切にし、伝えている。

・葬儀・法要は50名の規模で可能。控室もあり、食事(おとき)の手配にも対応。
・ご自宅、式場、墓地など他会場に出向しての法要にも対応可能。

お墓

3万坪もの広大な敷地に、1区画6畳ほどの広々としたお墓が並ぶ。美しい自然のなかにある墓地を知り、関東近辺だけでなく、関西や九州からも「ぜひここにお墓を建てたい」という問い合わせも多い。また、近年はよりコンパクトなサイズのお墓を求められる方が多くなり、半分以下の面積での分譲にも対応。さらに、生活スタイルの変化に伴い、個別にお墓を持たないという需要も増えてきたため、2006(平成18)年に合同墓を建立するなど、時代の変化に合わせて人々に寄り添っている。

・永代使用墓地 1.5坪 30万円〜
・永代合同墓地 納骨料 30万円〜
※年間管理費は12,000円

ご相談・ご要望などはいつでもお気軽にお問合せを。

イベント情報

開こん記念祭(毎年4月15日前後)

那須塩原市が主催する「開こん記念祭」に合わせ、近隣の小学校の課外授業の一環でお寺の歴史や町の歴史についてお話しする会を開催するほか、婦人会の皆さんが作ったお赤飯を配るなど、地域の行事に参加。

法要・お勤め(随時)

  • 初法座(1月)
  • 常例法座(2月)
  • 春季 永代経法要(3月)
  • 春季 彼岸会法要(3月)
  • 常例法座(7月)
  • 盂蘭盆会(8月)
  • 秋季 永代経法要(9月)
  • 秋季 彼岸会法要(9月)
  • 常例法座(11月)
  • 報恩講法要(11月)
  • 除夜会法要(12月)

寺院情報

寺名(ふりがな) 明如山 光尊寺 (みょうにょさん こうそんじ)
住職 丘 正法(おか まさのり)
郵便番号 329-2745
住所 栃木県那須塩原市三区町548
電話番号 0287-36-1751
ホームページ https://www.kohsonji.net/
交通

【電車】
JR宇都宮線 西那須野駅から徒歩50分

【車】
東北自動車道 西那須野塩原ICから約10分

駐車場 300台
地図