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かわさきたまふきょうじょ きょうねんじ川崎多摩布教所 慶念寺

多摩川を境に東京都と接する神奈川県川崎市中野島は、昔からの住民も多い一方で、マンションを購入するなどで越してきた新しい住民も増えており、ご縁のあるお寺を持たない人も多い。

川崎多摩布教所 慶念寺は、この地の閑静な住宅街の一角に、都市開教の拠点として平成28 年に開所された。近隣の新しい住宅に溶け込み、親しみがもてる現代的な佇まいだ。しかし中に入れば堂々たるご本尊が鎮座し、心洗われるお参りの空間が広がっている。

住職の小林賢五氏はこの近くのお寺に生まれ、京都の龍谷大学に進学。築地本願寺での研修を経て当地に布教所を開所した。インターネットをはじめ時代に合わせた柔軟な手法で、より多くの方々に親しんでもらい、お念仏の教えを伝え広めようと日々活動している。幼い2人の子の父としても、子育てに奮闘中。

歴史

住職は同じ区内にある長念寺(ちょうねんじ)の次男として生まれる。兄が跡を継ぐ予定であったため、実家の宗教活動にはあまり関わらずに育った。しかし進学した龍谷大学で、お寺の子ども会活動をサポートするサークルに入ったことをきっかけに興味を持ち、。20歳の時に得度。「まだ見ぬ多くの方に、浄土真宗の教えを伝え広めていきたい」と、都市開教を志す。

同大学の大学院を修了後、築地本願寺にて研修を終え、都市開教専従員の任命を受ける。布教使(お説法などを重点的に学んだ僧侶に与えられる資格)および、特別法務員(読経を専門的に勉強したお勤めのスペシャリスト)の資格を取得。両方の資格をもつ数少ない僧侶のひとりである。

平成28(2016)年、現在の地に布教所を開所。

住職インタビュー

■ご縁を、思いを……「つなぐ」ことをテーマに

慶念寺のご本尊は、開所の際に、長崎県雲仙市愛野町にある光西寺(こうさいじ)様からお迎えしたものです。本来この大きさのご本尊は、もっと天井が高い場所が適しているんです。ですがひと目で「ああ、ここはお寺なんだ」と分かるような、大きなご本尊をご安置したいという私の思いから、お迎えしました。由来ははっきりしていませんが、江戸後期から明治初期に造られたものだそうで、100年以上にわたって多くの方々にお参りをされてきたご本尊です。

礼盤一式をはじめ御荘厳もほとんどが、他のお寺で新調のため不要になったものなどをいただいています。お寺は新しいですが、これらはみな、誰かが大切にしていたであろう思いの詰まったものですから、その思いを今に「つなぐ」ことができて嬉しいですね。

このあたりはご実家から離れてお住まいの方も多い土地柄です。例えば「実家のお寺を大切にしたいんだけれど、今こちらで遠方住まいだから」というような方のご法事の相談を受けた時には、必ず私がそのお寺様にご挨拶をして、そちらのお寺様の思いを伺い、その思いをしっかりとつないでいくように心がけています。都市開教というと、新しくご縁を作っていくことを考えがちですが、こちらにお住まいの門徒様と地方のお寺様をつなぐ橋渡しのような役目も、都市開教の大事な役割かなと最近は思っていますね。そういう意味でも「つなぐ」を大事なテーマと思って活動しています。

 

■都市開教は日々、試行錯誤

毎月「寺報」を発行しているのですが、そこに「ぜひ慶念寺にお手紙をください」と書いています。近況、ご相談など、なんでも構わないんです。私か坊守が必ずお返事を書きます。電話でもお話はできますが、手紙をもらう機会は少なくなっていますから、いいものですよね。お手紙をくださる方もだんだん増えてきて、嬉しく思っています。

お寺でこれからやってみたいこともたくさんあります。写経会、お経を読む会、また私は「笙(しょう)」の演奏ができるので、雅楽の会などもいつか実現したいですね。コロナ禍でまだ難しいことも多いですが、できることからやろうと、2020年の9月からブログを始めています。ほとんど毎日更新中です。ホームページも全部私の自作なので、ぜひ見てほしいです。少しでもお寺を身近に感じていただけるよう、日々試行錯誤しながら活動しています。

都市開教は大変なこともありますが、魅力もあります。何もなかったところ、つまりゼロから作っているので、だんだん形になっていく面白さだと思っています。いろいろなご縁があって、うちに連絡をくださる方がひとり増え、ふたり増え……「数字」としてその手応えがわかるだけでも面白いと感じています。ご縁をいただいた方はたくさんいらっしゃいますから、これからもそのご縁を大切にしていきたいですね。

葬儀・法事・法要

お寺での葬儀はお受けしておりませんが、他の式場への出向は可能。お気軽にご相談ください。

なお、年忌法要などは本堂で可能(15名まで)。

お墓

お墓はありませんが、お墓を決めるまでの間、ご遺骨の一時預かりは可能。

イベント情報

法話会(随時)

報恩講、宗祖降誕会、涅槃会、春季・秋季彼岸会、盂蘭盆会など浄土真宗の恒例法要の際に実施。またそれ以外の月には定例法話会として開催しています。オンラインでライブ配信をする場合もあります。過去の法話会はYoutubeで視聴可能。

公開講座(随時)

築地にある法重寺のご住職、南條了瑛師を講師としてお招きし、多摩市民館の会議室にて「歎異抄から学ぶ」という公開講座を開催しています。お寺のご縁の方々だけでなく、広く一般から参加者を募っており、毎回好評を博しています。

おてらおやつクラブ(随時)

社会貢献のひとつとして、子どもたちを支援する団体に、お寺へのお供物を寄付する活動。年に数回程度、お寺から声をかけてお供えを募り、まとまった量を寄付しています。

寺院情報

寺名(ふりがな) 川崎多摩布教所 慶念寺 (かわさきたまふきょうじょ きょうねんじ)
住職 小林 賢五
郵便番号 214-0012
住所 神奈川県川崎市多摩区中野島4-24-2-5
電話番号 044-819-5482
FAX番号 044-819-5538
ホームページ https://kyounenji.com/
交通

【電車】
JR南武線・小田急線「登戸」駅より徒歩20分(「登戸駅多摩川口」バス停からバスに乗車、「中野島公社住宅前」で下車するとお寺のすぐ近くまで来られます)

JR南武線「中野島」駅より徒歩15分

【車】
東名高速道路川崎出口から約30分
第三京浜川崎出口から約25分

駐車場 5台
地図