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きょうざん ちょうこうじ響山 超光寺

超光寺が埼玉県草加市との縁を築いてから25年。東京のベッドタウンとして発展してきたこの街は、地方からの働き手の流入によって人口20万人を超える都市となった。その中には潜在的な浄土真宗の門信徒も多く、超光寺はそうした人々の心安らぐ場所として存在している。

七里住職は布教活動の傍ら、ボランティア活動を通して地域に貢献してきた経歴を持つ。その活動が徐々に周囲に認知され、門信徒としての縁も広がったそうだ。温厚でユーモア、まるで友達のように気軽に話し相手を務めてくれるほど気さくな性格の住職。実は、雅楽に加え、ピアノやマンドリンを弾くなどの楽才があり、念珠(数珠)作りと旅行が好きと多趣味だ。こうした人柄も、地域住民から慕われ、この寺が地域で必要とされている理由なのである。

歴史

平成8(1996)年に創建した超光寺は、都市開教の一環で設立した「草加布教所」として始まった。当初は宗教施設に適した広い場所がなかなか見つからず、足しげく不動産屋へ通い、やっとのことで借りられた場所が判子屋の二階。広さは20畳、人が集まって礼拝するには最低限度の空間で、地道な布教活動を進め、5年後の平成13(2001)年には現在の3階建ての建物へと居を移した。そんな超光寺のお堂は建物の1階にある。一般的な寺院とは違い、畳も障子も設けられていない。これは「フォーマルウェアでも、土足でも気軽に入ってきてほしい」との住職の思いを反映した造りなのだそうだ。

布教所開始から25年目。布教活動の傍ら、地域のボランティア活動にも積極的に参加してきた。その活動がきっかけで、地域住民や門信徒との縁も広がったそうだ。そのおかげもあり、お寺の活動は「今が過去にないほどの忙しさだ」と住職は語る。地域の一員として、また仏教を通して、住みよい街を作ることに情熱を傾ける姿がそこにある。

住職インタビュー

■自分の目指す道を外の世界に見出した若年期

長崎県五島市にある実家の寺は、末弟が後継となりました。私はどちらかというとアクティブな性格で、人生の節目や転機には、いつも視線が外を向いておりました。一時はブラジルでの開教をも考えていた時期があったほどですから。こうして故郷を遠く離れ、草加市で布教活動をしているのも、その性に合っていたのだと思います。

故郷は周りを海で囲まれた島ということもあり、島を出るまでの幼いころは見ている世界が狭く、全くの世間知らずに育ちました。戦後、田舎の復興が遅れ、境内で作付けをして自給自足するほど貧しい時代も経験しています。その頃の私の仕事といえば、朝一番に作物を収穫すること。そこで獲れた瑞々しく実った野菜や果物は本当に美味しかったです。

その後、龍谷大学へ通う学生となり初めて長崎を離れたとき、周囲の同級生や先輩方から刺激を受け、その外向性も実家の作物のようにぐんぐんと大きく膨らんでいきました。もっとも衝撃的だったことは、知り合いのお寺で境内に畑があるという人が誰もいないことでしたが(笑)。また、私の住んでいた田舎には、本山とは違う習わしがあることをその時に初めて知りました。今まで見たり信じたりしてきたものが必ずしも真の姿ではないこと、またいい意味でそこには自由が存在していることを実感したのもこの時です。そのときに感じたことがより自分自身の人格形成につながったのだと思います。

 

■靴のままでも気軽に入れるお堂を建立!自分らしい仏道を巧みに表現した唯一無二の寺院

この地へ移り間もないころ、不安の中にいる私に、ある先輩が「開教は白いキャンパスに自分らしい絵を描くことだ」と励ましてくれたことがありました。判子屋の二階で始めたことも、中古物件をリフォームして現在のお堂を建てたことも、一般的には珍しいことです。しかし、その時の自分ができることを精一杯やって、自分なりの寺院を作り上げてきたという意味では満足しています。

寺外活動においても、京都で培われたアクティブな性格が発揮されたと思います。河川に不法投棄された自転車を引き揚げる活動を獨協大学の学生さん達と行なったり、念珠を作るのが好きだったので自作した念珠を販売するお店も出しました。そこで出会い、仲良くなった人たちから、お寺の外で相談を受けることが多くなったんです。おそらく店先や活動中だと身構えず、気楽に話すことができるからでしょう。

近年、「お寺離れ」が顕著ですが、その要因として、どこか気軽にお寺に行けないというイメージがあるからだと思っています。靴を脱いで正座して、神妙な顔をしていなきゃいけない。それでは「気軽に来いと言っても絶対緊張しますよね。だから畳や障子がないお堂を造ったんです。まるで友達の家に遊びに来た感覚で足を運んでもらえる、そんなお寺が1つくらいあってもいいと思います。これが先輩の言ったキャンパスに描いた自分なりの絵であり、私の目指す仏道なんでしょう。

葬儀、法事・法要

超光寺では1階のお堂で葬儀や法事・法要を行う。収容人数は40名程度。椅子が設けられているため、足腰に不安のある方でも安心して式に参加できる。また、式では僧侶だけが読経するのではなく、遺族や参列者も一緒に参加し故人を送り出すことができるよう工夫が凝らしてある。難解な経の言葉や儀式の意味について説明し、わかりやすく浄土真宗への理解も深めることができる。

葬儀や法事は、埼玉県を中心に草加市以外の地域へも出向可能で、他、京都の大谷本廟への永代納骨も随時お勤めしている。遠方へ引越した門徒にはその地域にある寺院の紹介もしてくれる。

墓・納骨堂

ご遺骨の一時保管のみ受付可能。詳細はお問い合わせください。

イベント情報

法話会(毎月第1土曜日 13:30~16:00)

法話会では、「まごころ説法」と題し、仏教の教義をわかりやすい例えを用いて伝えてくれる。言葉遣いやその意味、教えのバックグラウンドが理解でき、仏教への理解を深めることができる。読経して法話を聞き、そのあとには茶話会となる。

参加はどなたでも可。普段着、お子さま連れでも可。

声明練習会(要問い合わせ)

浄土真宗で読まれるお経の独特の節を学ぶことができる講座。言葉を暗記し自己流でお経を読み上げている方、また正しい唱え方でお経をあげたいと考えている方など、どなたでも参加可能。

YouTubeチャンネル(随時更新)

Youtubeでは各季節の法要や月一回(第1土曜日13時半)の常例法要、法話会、声明練習会や雅楽練習風景などを配信している。スマホやタブレットを使い、いつでも気軽に参拝することが可能。

YouTubeチャンネルはこちら

寺院情報

寺名(ふりがな) 響山 超光寺 (きょうざん ちょうこうじ)
住職 七里 順量(しちり じゅんりょう)
郵便番号 〒340-0044
住所 埼玉県草加市花栗1-32-35
電話番号 048-942-6612
E-Mail jatam77@gmail.com
ホームページ https://soka.ne.jp/
交通

【徒歩】
JR草加駅より徒歩25分

【バス】
JR草加駅より東武バス「花栗」バス停下車徒歩2分

駐車場 6台
地図