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つきじほんがんじ おうじふきょうしょ築地本願寺 王子布教所

浄土真宗本願寺派の寺院が長年なかった東京都北区で、「身近に親鸞聖人のみ教えが聞ける場所を」という願いのもと、人気のラーメン屋さんが1階で営業する雑居ビルの2階に平成29(2017)年12月に開所した。

桜で有名な飛鳥山公園などの美しい環境にほど近く、交通の利便の良い北区王子の中心地にある。外からは「お寺」に見えないが、中に入ると、由緒あるご本尊が厳かに鎮座し、礼拝空間が広がる。

布教所では、毎朝の勤行や月例の法座・講座、仏教に興味のある人や、僧侶に相談してみたい人のための「よろず僧談」を開催しているほか、故人様をご縁とした法要や法事などが行える。またインターネットを通して世界中どこからでも参拝できる「WEB参拝」、さらに「こどものための小さな図書館」、「地域清掃活動」などの地域社会への貢献活動などを行い、地域に根ざした身近で、気軽な寺院を目指している。

歴史

本願寺派寺院の少ない東京とはいえ、23ある特別区の中で、全く聞法拠点がなかったのは近年では千代田区と北区のみだった。この北区には約35万人が暮らし、地方からの永住者や短期住まいで生活する方も多く、浄土真宗の門信徒は少なくない。そうした方々の声や協力をうけ、王子駅から徒歩5分程の場所に王子布教所は開設された。

まだまだ新しい王子布教所ではあるが、阿弥陀如来は、天永元年(1110)創建と伝わる古刹、広島県東広島市にあった青原山永沢寺のご本尊であったもの。近年、廃寺になり、住職の出身寺院である最寄りの妙徳寺にご本尊は預けられたていたが、永沢寺関係者の理解のもと王子布教所の御本尊として王子の地に遷座されることになった。

ご本尊をお飾りする仏具も篤い信仰の中で大切に受け継がれてきたものばかりだ。御本尊を御安置する宮殿や前卓等は練馬区・真龍寺の本堂の新築にともなう旧本堂解体に際し、また大鏧や香炉等は広島市中区にあった三光寺より、金華鬘は住職の出身寺院の妙徳寺より譲り受けた。

住職インタビュー

■布教所への出発点

私は、広島県の山あいのまち、東広島市にあるにある妙徳寺で生まれ育ちました。父は、私が幼いときに急逝しました。そのため祖父が長く住職として頑張りました。明治生まれの祖父が、私にとって父のような存在でもあります。今は兄が住職を務めております。

この妙徳寺には、いつも、さまざまな方が集まってくださいました。お寺って何だろうと疑問を抱いた時期もありました。そんな頃、お寺の総代も務めてくださったある方に言われたのです。「いのちを終えてから先のほんとの話が聞けるのは親鸞聖人のみ教えだけ。これが聞けるのはお寺しかありません。最後にはみんなこの教えが聞きたい。これしか残らんのです」と。ゆっくり語るぶれのない力強い声が、今も耳に響いています。戦争に行き、シベリア抑留から生還。生きる糧を得るため様々に職をこなし、戦前から高度成長期をへて平成に至るまでの日本社会、人間関係の表裏、人として生き抜くための辛酸を知り尽くしたような人生の大先輩からの言葉を、高校生だった私は、本当の意味で理解できていなかったと思います。しかし、心にズシッと響きました。

死んだらおしまい。無になってしまうと思い込んで、空しさを抱え込んでいるのが現代人かもしれません。その私達にとって、親鸞さまが明らかにされた浄土に生まれるというみ教えは、科学の時代だといってもまったく色あせていません。むしろ私達の生きる道しるべとなって輝きを増していると感じています。

 

■経験生かして布教所を運営

私は、宗門の学校である京都・龍谷大学を卒業し、本願寺広島別院に13年、築地本願寺に5年勤めさせていただきました。王子布教所の開所記念の華葩(けは)には「共命之鳥(ぐみようしちょう)」があしらわれています。広島・安芸教区教区では、原爆五十回忌法要以来、平和への願いを表すシンボルです。仏説阿弥陀経というお経に出てくる鳥で、ひとつの体に頭が二つあります。かつて、頭がお互いにいがみ合い、片方の頭がもう片方を毒殺したため、殺した側も体がつながっているため一緒に死んだ。この愚かな出来事を繰り返さぬよう、いまお浄土の共命之鳥たちは「他を滅ぼす道は己を滅ぼす、他を活かす道こそ己を活かす道」と、仏様の教えを自らの声として鳴いていると語り継がれています。

ヒロシマは被曝地であると同時に軍都でした。私の父も被爆者ですし、戦争や平和について考えさせられる機会の多い地です。事情は様々あったのでしょうが、戦争は、相手とのつながりに目をそらし、力でねじ伏せるという考えがあることを否定できないでしょう。未来を見据えたとき、過去の歴史に学び、同じ愚行を繰り返さぬよう、都合が悪くともどこまでもつながりあういのちの姿を忘れない不断の努力、情報発信が欠かせないと思います。この布教所ではヒロシマの心も伝えていきたいです。

葬儀、法事・法要 

~死別~大切な方との別れは、なかなか受け入れがたい辛い現実です。そのような私達にとって、「浄土に生まれる」というお言葉が、どれほど勇気づけられるお言葉であるのか、葬儀やご法事などの現場を通して実感しています。死んでおしまいではありません。無になるのでもありません。儀式儀礼の執行にあたっては、私達をお導きくださる阿弥陀様とそのお手伝いをくださる故人様を、ご一緒に、身近に味わわせて頂くかけがえのない時間として、大切にお勤めしております。

■葬儀
式場・自宅への出向のみ(布教所ではビルの構造上出来ない)の対応だが、生前から葬儀や仏事に関する質問、葬儀社選びのアドバイスなどに応じている。

■各種法事
布教所は全席椅子席で常設は16席。16名以上の参加者の場合も対応しますのでまずはご相談ください(会食希望の際は付近お店を案内可)。また、自宅・式場・墓地に出向しての法要にも対応しています。

※また各種仏事相談、ご遺骨・お墓の相談、教えについての質問、グチを吐き出したい方など、時間の許す限り誠心誠意対応いたします。

お墓・納骨堂

ビルの中にある布教所なので墓所はありませんが、築地本願寺の関係や京都・本願寺の大谷廟所への納骨、最寄りの本願寺派寺院紹介など、さまざまな選択肢の中からより良い方法を選ぶお手伝いをしています。納骨やその後の年回法要の勤め方などの相談などにも応じています。

イベント情報

晨朝勤行(毎朝7:00~7:40)

正信念仏偈、和讃和讃六首引の繰り読みのお勤めを致しております。参加費無料、申込不要。直接ご来所ください。また王子布教所ホームページのWEB参拝で晨朝勤行を配信しておりますので、ぜひご参加ください。

http://www.t-oji.tokyo/kive-1

月例法話会(毎月第3水曜日13:30~15:30)

住職または布教使の先生をお招きして開催しています。日頃の生活に身近な話題から阿弥陀様のおすくいをご一緒に味わわせていただきます。法話後、茶話会で語り合いましょう。

参加費無料、申込不要。直接ご来所ください。

月例聖典講座(毎月第4水曜日13:30~15:30)

毎年1月から一つの聖典を一年かけて読み進めて学ぶ講座。2020年は「正信念仏偈」。ちなみに2018年は「仏説阿弥陀経」、2019年は「歎異抄」を行った。講座後に茶話会があります。日頃思った疑問をざっくばらんに話して一緒に学びを深めましょう。

参加費無料、申込不要。直接ご来所ください。

おみがき(毎月第二水曜日 晨朝勤行後(7:40~9:00))

ほとけさまをおかざりする仏具を一緒に磨きます。おみがき後、参加者そろっておかゆを頂きます。

参加費無料、申込不要。直接ご来所ください。

こどものための小さな図書室(毎週日曜日13:00~17:00)

小学生を主な対象とした図書室として 、毎週日曜日の午後に布教所を開放しております。布教所常設のお子様向けの絵本や マンガを読んだり、学校の宿題をしたりして時間をお過ごしください。保護者の方も同伴できます。

参加費無料、申込不要。直接ご来所ください。

地域清掃活動(毎週火・金曜日 お朝事後 8:00頃~9:00頃)

JR王子駅から王子布教所間の北本通の空き缶や吸い殻などのゴミ拾いと雑草除去を行う。王子布教所の腕章をして活動する。お朝事に引き続き参加するか、当日の朝8時までに王子布教所にご来所ください。

参加費無料。申込み不要。雨天中止。

仏事相談[よろず僧談](随時)

人生相談や仏事相談を随時おこなっている。ただし住職不在の時があるので、来所の場合は事前にお電話ください。電話での相談も受けておりますが、所用のため出られないときもありますので、その際は「僧談希望」である旨、お名前・連絡先電話番号を留守電にてお知らせください。折り返しご連絡いたします。

WEB参拝(常時)

インターネットから王子布教所のホーム・ページにアクセスできれば、世界中どこからでも参拝できる。常時はご本尊・阿弥陀如来の映像、毎朝の勤行時には布教所後方のカメラに替わり、参拝者目線で一緒に晨朝勤行に参加できる。

その他イベント(ホームページのイベントカレンダー参照)

・仏教書コーナーは、子ども向け書籍だけでなく、仏教の入門書や専門書が常置してあり大人も随時利用できる。

・「書いて作ろうMy聖典」(写経)や「念珠編み」などの講座・イベントも申込に応じて随時行っている。

・お経を実際に声に出して読む体験が出来る「お経の日」(不定期開催)

 

申込み必要。参加費無料(但し材料費・教材費は必要ですので、申込時にご確認ください)。

寺院情報

寺名(ふりがな) 築地本願寺 王子布教所 (つきじほんがんじ おうじふきょうしょ)
開門時間 6:30
住職 大江和正(おおえ かずまさ)
郵便番号 114-0002
住所 東京都北区王子2-15-8 MSYビル2F
電話番号 03-5944-6613
FAX番号 03-6903-0503
E-Mail amida@t-oji.tokyo
ホームページ https://www.t-oji.tokyo/
交通

・東京メトロ王子駅5番出口から北本通を王子神谷赤羽方面に向かって徒歩3分(左手)

・都電王子駅駅前から北本通りを王子神谷赤羽方面に向かって徒歩5分(左手)

・JR王子駅北口改札から駅前ロータリーを経て北本通へ。王子神谷赤羽方面に向かって徒歩5分(左手)

・王子北IC出口の王子3丁目交差点を左折し200メートル先右手。王子南IC出口を左折し、溝田橋交差点直進後すぐ側道へ。400メートル先の王子3丁目交差点を左折し200メートル先右手。※付近のコインパーキングをご利用ください。

駐車場 なし
地図