文字サイズ

  • 普通
  • 大きく

みょうこうさんさいとくじ明光山 最德寺

東京都大田区大森の住宅街にある最德寺には、約90年前に建てられたという本堂が今も残っている。かつて、その本堂の裏手には池があり、池の上を藤の木が覆っていたことから「藤寺」という愛称で呼ばれていた。

第二十六代住職の藤原永至(えいじ)氏は「どのようにしたら、皆さまに来ていただきやすいお寺になるのだろうか」と常に考え「そのためにお寺を改造しているんです」と笑う。例えば、入り口に手すりを付けたり、足元の段差を埋めて境内を舗装したりと、お寺へ立ち寄る人が心地よく過ごせるようにという思いをどんどん形にしていく。本堂にむかって左手にある藤棚は現住職が育てはじめたものだ。「再び藤寺と呼ばれる日が来るよう世話をしています。藤寺復興計画ですね」と、藤原氏は未来を見据える。

おおらかでユーモアに満ちた住職。その人柄に惹きつけられた多くの近隣住民からも親しまれているお寺である。

歴史

最德寺は、はじめ文暦元(1234)年の鎌倉にて藤原一族である永頓(えいとん)氏が建立したといわれている。山号である「明光山」(みょうこうさん)は、永頓氏の兄である親鸞聖人の関東六老僧の一人でもある明光上人(めいこうしょうにん)の名前からいただいた。早くから寺子屋を開校し、地域の小学校の始まりとして重要な役割を担っていた。

現在の最德寺は大正12(1923)年に起工、昭和2(1927)年に完成となり、落成慶讃法要が執り行われた。空襲により焼けることがなかったため、昔ながらの威風堂々とした木造本堂が現在も残っている。

また、境内に入ってすぐ左手にある無量壽廟(永代供養の墓)には、阿弥陀如来像が安置されている。お寺で所蔵している200年以上前の木造阿弥陀如来像をモデルとして鋳造したもので、平成23(2011)年に富山県高岡市からお迎えした。

住職インタビュー

■歴史を重んじるより、今に生きる人との絆を大切にしたい

最德寺の住職になり、6年がたちました。地域のみなさまやご門徒さんとの繋がりを大切にしながら、皆さまが笑顔になっていただけるお寺でありたいと考えています。だから今もお線香は手渡しを続けています。お線香をお渡しするときに、皆さまとしっかり会話をしたいからです。お墓参りの多い時期には私・坊守・前坊守とみんなでお線香を手渡ししてお話するのが恒例なのですが、母親の方が人気で、お線香を求める人の列が長いんです(笑)。

当寺には800年近い歴史があります。歴史は大切ですが、歴史の長さが大切なのではなくて、昔を振り返ることより、現在の人のためにお役に立てるお寺でありたいですね。

こう思えたのは、前坊守である母親の影響です。母親はオープンな性格で、私が幼いころから、ご門徒さんをはじめ、地域の方々に温かく接している姿勢や慕われてる姿を見てきました。自分の“人となり”がお寺の核となり、私という人間を通じて、お寺に通ってくださる方や頼ってくださる方が増えればと思っています。

 

■「努力」をすることの難しさ、人間のこころに想いを巡らせる

座右の銘はボクシング漫画の名作である『はじめの一歩』という作品に出てくる

「努力した者が全て報われるとは限らん しかし! 成功した者は皆すべからく努力しておる!!」

という言葉です。ひとつのことに信念をもって成し遂げる忍耐力や精神力には尊敬の念がありますね。誰かが何かに打ち込む姿に心打たれるんです。甲子園球児を見ていると、なんだかわからないけれど、胸が熱くなって泣けてきませんか。

何かを「頑張る」とか「一生懸命にやる」ということは、口では簡単に言えても実践するとなると大変難しいものです。自分自身も「努力をする」ということができていたか、自問自答してしまいます。いくつになっても、そのようなことを考えてしまいますね。

葬儀、法事・法要 

・要望に応じて、遠方へ出張して葬儀を執り行う

・本堂でお葬式を行うことも可能

お墓 

「お墓が遠方にあると、ご遺族は徐々にお墓へ足を運ぶ回数が減ってしまいます」と心配そうに語る藤原氏。「高齢になると、移動そのものが大変になるでしょう。そのため、必ずしも当寺にお墓を建てることをすすめているわけではなく、自宅の近くなど、ご自身が行きやすい場所にお墓を建てることをおすすめしています。お墓に手を合わせたくても、それができなくなってしまうのは悲しいですから」

境内に墓地があり、さまざまな区画の大きさのお墓がある。また、お墓に関する相談にも随時対応している。

 

・無量壽廟(むりょうじゅびょう)

永代供養をお考えの方のための合同のお墓。お寺に入ってすぐ左手のよく日のあたる場所にあり、阿弥陀如来がご安置されている。

-生前の申し込み・相談が可能

-遠方のお墓から遺骨を移葬し、埋葬できる

 

・冥加金
一般墓・・・350,000円~ (年間管理費15,000円)
永代供養墓・・・150,000円~ (年間管理費10,000円)

 

イベント情報

各種法要(各月)

元旦会、春季彼岸会、はなまつり、永代経法要、盂蘭盆会、秋季彼岸会、報恩講法要

仏教婦人会(随時)

50年もの歴史がある婦人会。定例会の他にも、座禅体験や皇居見学などイベントが多く開催され、楽しく参加できる。「総永代経法要」や「報恩講」では婦人会の方々による手作りの料理をふるまう。

おりがみ教室(月一回)

おりがみを学び、楽しみながら交流ができる。できあがった作品はお寺に飾られることも。

コーラス練習会(定期)

講師の指導のもと仏教讃歌をはじめ童謡、唱歌などを練習する。最德寺の報恩講にて発表をする機会も設けている。

参拝記念の書印(随時)

寺ヨガ(寺院へお問い合わせください)

仏教講座(随時)

寺院情報

寺名(ふりがな) 明光山 最德寺 (みょうこうさんさいとくじ)
住職 藤原永至(ふじわら えいじ)
郵便番号 143-0016
住所 東京都大田区大森北3-18-25
電話番号 03-3761-6811
FAX番号 03-3764-1299
E-Mail saitokuji@gmail.com
ホームページ http://saitokuji.tokyo/
駐車場 5台
地図