築地本願寺の布教所として開所したのは、昭和62(1987)年2月。土地を購入し、寺院が建立されたのは平成2(1990)年11月で、平成3(1991)年3月に宗教法人を取得。もともと関東には浄土真宗の寺院が少なく、その対策として寺を建立していく方針が築地本願寺で掲げられた際に建てられた寺院である。建立当時、青梅地域は寺院が約70ヵ寺存在するエリアではあったが、浄土系は一カ寺もなかったという。現在も同じエリア内には当寺以外に浄土系の寺はなく、当寺が広い範囲で活動を行っている。
茨城県の内手山浄国寺の次男として生まれた現住職。自分にとってまったく未知の土地であったこの場所へ来た当初、何をやったらいいか分からずに悩んだという。ビラを作り一軒一軒に配布するなどの布教活動中、寺への問合せ手段も電話しかない時代、いつも気にしていたのは寺の電話が壊れていないかどうかということだった。そんな状況の中で、様子を気にして連絡をくださった関係者、また、ご実家の寺が浄土真宗であることを大事にされるご門徒さんの存在に支えられたこれまでを感謝の念で振り返る一方で、時代も人も変わっていく今日、今までのやり方を変えて新たな方法で活動を行っていく必要性を強く感じている。