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ふしみざん しょうぼうじ伏見山 正法寺

正法寺は、世田谷の閑静な住宅街の一角、寺町としても有名な地域にある。起源を遡れば400年以上の歴史があるとされ、現在は13代目の白川淳敬氏が住職を勤める。地元のPTA会長を経験し、施設の一部を地域住民のイベントの開催場所として提供するなど地元住民からも愛される存在になっている。

本堂は本格的なインド風のデザインが特徴で、随所に東洋美術の美しさが宿る。本堂外観のドーム部分には「菩提樹」の葉と仏教のシンボルである蓮の花が彫られ、本堂の奥には豪華絢爛な内陣があり、凛とした空気が漂っている。

梅雨時にはアジサイやジャカランダの花が咲き乱れ、紅葉の時期には柿が実る。季節のうつろいを肌で感じながら、墓前で手を合わせることができる。

歴史

「伏見山正法寺」は元和2(1616)年に玄覚法師によって京都伏見に創設され、本願寺の江戸御坊創設にあわせて江戸浜町に移転。その後、明暦3(1657)年の明暦の大火で江戸御坊、寺中寺院共々に焼失し、その後江戸御坊と共に築地に移転、築地本願寺寺中58ヶ寺と共に約300年の時を過ごす。

 

大正12(1923)年に関東大震災で火災に遭い、堂宇を焼失。多くの仏具を失いつつも、本尊の阿弥陀如来像などを背負って難を逃れ、震災後の区画整理に合わせて昭和4(1929)年に松原に移転した。モダンなインド風建築で来訪者の心を和ませた旧本堂は幾年もの歳月の間に老朽化が進んだため、惜しまれつつも解体。平成24(2012)年に設備が整った新本堂が落成した。

住職インタビュー

■空間も情報もオープンにしたい

本堂には「弘宣正法(ぐせんしょうぼう)」という言葉を飾っています。弘宣とは広く述べること、正法とは、正しい仏法。つまり、浄土真宗を多くの方に伝えることを大事にしております。その一環として、早い段階からホームページやSNSを開設・活用しており、浄土真宗の考え方、お墓に関する情報、私の日頃のつぶやきなど、情報を公開しています。

 

門徒の方はもちろん、そうではない地元住民の方のためにも、正法寺は“開かれた空間”であって欲しい、という願いが私にはあります。そのために交流の場として、施設の一部を提供することは多いです。以前も劇団を主宰する方より「本堂でお芝居を演じたい」という要望がありましたので、喜んでお貸出ししました。

 

■ 仏跡巡りで現地法要

私の趣味のひとつは、海外の仏跡巡り。インド、ネパール、ブータン、中国などに行きました。『ブッダの世界』(中村元・編著)という名著があるのですが、それを若い頃から何度も読んでいて「いつか現地に行ってみたい」と思うようになっていました。そして20年ほど前に築地本願寺和田堀廟所奉讃会の一環でインド旅行をして以降、仏跡巡りは私のライフワークのひとつになりましたね。

 

お釈迦様の跡を辿ると「ああ、ここで悟りを開いたのか」「鳥たちの鳴き声はこういう音だったのか」「お経の中のたとえ話はこれのことだったのか」と実際に訪れることで、腑に落ちることが沢山ありました。それを経験すると、法話の伝え方も少し変わってくるんですよ。

 

この話をすると、「私も行ってみたい」と言う人が多く、今では希望者と一緒にグループで行くことにしています。実際の仏跡を前に私は現地法要をさせて頂くのですが、皆さん、日本にいるときとは聴く意識が違います。繰り返し参加してくれる方も大勢いて、不定期開催ですが、今では正法寺の人気行事のひとつになりましたね。

葬儀、法事・法要

淳敬氏は仏跡巡りと同様に、“体験学習型”というスタイルで教えを伝えている。仏教関係の造形物を施設内に多く設置されているのもそのためで、実際に見たり、触ったりしてもらった方が、理解しやすいと考えている。施設内には海外で購入してきた仏具が並び、法事や法要で足を運ぶご門徒さんにも注目される。

 

・着席の場合は40人程度

・駐車場は5台ほどなのでアクセスは電車が望ましい

・施設内でお斎は可能で、食事は配達

・ご遺体の預かりは可能

(※ただし条件あり・詳しくはお問い合わせください)

・遺族控室あり

お墓・納骨堂

・永代使用冥加金は50万円から

 

■総廟(そうびょう)納骨

永代供養される場合は総廟納骨。申し込みがあれば法事にも対応する。総廟納骨希望の際は永代経懇志として10万円以上は必要。年間の管理費は不要。

 

■合祀墓 帰命壇(きみょうだん)納骨

帰命壇は地上納骨室と地下納骨室の2種類。永代納骨冥加金は、ご遺骨1つにつき50万円(上段)、25万円(下段)から。

 

イベント情報

■彼岸法要 (春:3月の彼岸中日、秋:9月の彼岸中日)

春と秋の彼岸に本堂でおこなう。

■報恩講(11月第1日曜日)

親鸞聖人のご命日にちなんで、聖人の恩徳に報謝する法要を本堂でおこなう。

■子ども・若者ご縁づくり(3年に1回)

人の育成を目標とした、若者層(中学生・高校生・学生・社会人など)向けの法要活動。2007年から始まり、当初は「キッズサンガ」と呼ばれていたが、2014年からは「子ども・若者ご縁づくり」と呼ばれる。

■地域イベント(不定期開催)

フラワーアレンジメント教室、フランダンス教室、ウクレレ教室など、地域交流の場として施設の一部を提供している。開催日は各教室によって異なる。

寺院情報

寺名(ふりがな) 伏見山 正法寺 (ふしみざん しょうぼうじ)
住職 白川淳敬
郵便番号 156-0043
住所 東京都世田谷区松原5-43-30
電話番号 03-3321-0205
E-Mail shiraka@sol.dti.ne.jp
ホームページ http://www.sol.dti.ne.jp/~shiraka/
交通

京王線・井の頭線「明大前」駅中央口より徒歩約5分

駐車場 5台程度
地図