■桶川の地で27年。心安らぐ場として活躍
【住職】:桶川市は、地方から移り住んだ人々が多く暮らしている街です。まだ蓮正寺が建った頃は周囲は田畑が多く残っていましたが、今では新しい住宅が建ち並び、その多くが都心等へ通勤するサラリーマン家庭です。実は、そのような市民の中には、実家が浄土真宗を信仰しているケースがあり、潜在的な御門徒が多く住まわれている街でもあるんです。蓮正寺はこの地域で唯一の浄土真宗の寺院として、これまで27年間活動してきました。
私も26歳まで製薬会社に勤めていた経験があり、一般世間の悩みも踏まえ、仏教を学んできました。誠実に御門徒一人ひとりと向き合い、心安らぐ場として存続できることを願っています。
■一人でも多くの方に広めたい、仏教の心
【副住職】:お寺は敷居が高いイメージがあるので、気軽に入りやすい場となるよう去年から「花まつり」を開催しています。
【住職】:四月の初旬、本堂入口に花御堂を設置し、誰でも甘茶をかけてお参りできるようにしています。その時期は、孫の友だちもやってきてお参りの所作を不思議そうに真似たり、活発に境内を走り回ったりして、とても賑やかですよ。
【副住職】:子どもの頃からお寺に慣れ親しんでもらうことは、とても良いことだと思います。その子どもたちが、将来大人になって、お寺との距離が近くなれば、私たちにできることももっと増えてくるはずですから。
【住職】:最近では形式をおろそかにして葬儀や通夜を勤めないという考え方の人も増えてきたようです。しかし故人への感謝や心にある気持ちなど目に見えないものは形にしないと伝わりません。
【副住職】:阿弥陀様やお念仏もそうですよね。目に見えないものを姿や形にして大切にする。そんなふうに仏教の教えを一人でも多くの人に知ってもらえたら嬉しいですね。