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きんりんざん ちょうりゅうじ金林山 長龍寺

小田急線・愛甲石田駅から徒歩15分ほどの長龍寺は閑静な住宅街に近い、見晴らしのよい高台にある。江戸時代初頭の開基以来400年以上続く由緒ある寺院で、現在の住職は27代目。400余年の歴史の中で2度、火災と地震で本堂などの建物を失うことがあったが、いずれのときも門信徒の尽力で復興を遂げている。

現在の本堂・客殿(第一門徒会館)の内陣や柱などには美しく絢爛な金箔や彩色が施されており、門信徒の法要や初参式、仏前結婚式など、宗教的諸行事がおこなわれている。内陣の壁に描かれた「天女」や余間の襖の「春の桜」「秋の紅葉」などの絵画も美しく見ごたえのあるものばかりだ。住職は女性で、門信徒との家族のような付き合いを大切にしている。ユーモアを交えた法話は、門信徒にも好評だ。

歴史

江戸時代に編纂された『新編相模風土記稿』に「長龍寺、金林山桑岳院と号す」「開山圓寂、寛文十二年三月廿一日卒、中興圓暢、寶暦二年九月十一日卒」などという記述が見られる。ここから長龍寺の開基は江戸時代初期であることがうかがえる。また「一旦東派となりしなり」ともあることから、大谷派に属した時期もあったようだ。

慶安2年(1649)11月、徳川家より大住郡糟屋庄(現在の神奈川県伊勢原市)に寺領10石を賜る。天保年間(1829~1843年)に火災で本堂ほか過去帳などを焼失。大正12年(1923)9月1日の関東大震災では本堂と庫裡が全壊してしまうが、昭和5年(1930)に本堂を改築し、客殿を新築。平成3年(1991)には26世住職・顯明の発案で本堂を新築した。平成17年(2005)には合同墓「白蓮堂」を建立。平成20年(2008)に本堂を改修し、内陣・柱などに金箔・彩色を施して伝統的な様式とした。平成27年(2015)に新築した第二門徒会館はバリアフリー化されており、法事後の食事や、通夜・葬儀などに利用することができる。

住職インタビュー

もともとは在家で幼稚園教諭をしていた私が長龍寺に嫁いだのは昭和53年です。長龍寺の26代住職だった夫とはお見合い結婚でした。なぜか別々の人から夫のお見合い写真がふたつも届いたのです。これも何かのご縁だと思って結婚し、長龍寺に来ることになりました。私が27代の住職になったのは、平成4年に夫が亡くなってからです。以降は子供たちとともに長龍寺を守り続けています。

法要などでお話しをするときは、施主様のお気持ちがやわらかくなるような法話をするように心がけています。そしてそこに笑いの要素を取り入れるようにもしています。笑っていただくと皆さん楽しい気持ちになってお帰りいただけますから。来ていただいた方には、ホッとした気持ちになってお帰りいただけるといいですね。

女性の住職は珍しいと言われることもありますが、かえってそれが安心感につながることもあるようです。ご主人を亡くされたある女性は、男性のご住職よりも女性のほうがいいと当寺にいらして、そのまま門徒さんになってくださいました。私自身も夫を亡くしていますから、その苦しさや寂しさ、その後の暮らしがどう変わっていくのか理解ができます。そういった方の気持ちに寄り添って、苦しみが少しでも解消できるようなお話をして差し上げることができるからなのでしょう。

夫と結婚するまでは、自分が住職になるとは夢にも思っていませんでした。しかし今ではそれがよかったと思えるようになっています。普通に主婦をやっていただけでは経験できないようなことがたくさんありますから。門徒の皆さまとも家族のように楽しく交流させていただいていますし、いろいろな場面で支えていただいています。そして何より、阿弥陀様が守ってくださっていると感じることができるからでしょうか。気持ちの持ちようですが、大けがをしてもおかしくない自動車事故でけがひとつなかったことがあります。そのときは「阿弥陀様が守ってくださったのだ」と思ったものです。

休日は読書をしたり映画を観たりして過ごすことが多いのですが、テレビのサスペンスドラマが好きです。中でも「相棒」シリーズや「浅見光彦」シリーズはよく観ています。西村京太郎さんや山村美紗さんのシリーズも好きで、原作本も全部持っているんですよ。

葬儀、法事・法要

平成27年に完成した第二門徒会館は車椅子を載せることができるエレベーターを完備。バリアフリー化された2階建ての客殿で、1階に100名以上の葬儀を行える部屋があり、2階には10畳の和室が2室と20畳の広間が1室ある。長龍寺には50台ほどを停めることができる駐車場もあるため、本堂での法事の待合所として、また法事後のお食事の会場や通夜・葬儀の会場としても利用できる。

葬儀や法事以外にも月命日の読経に毎月訪問する。読経の後の世間話や家族に変わりがないかなどの話をする。そういった話をできるご縁を大事にしている。

お墓・納骨堂

現在400基以上のお墓が寺域内にある。彼岸やお盆、正月に法要をおこなう。

平成17年に建立された合同墓「白蓮堂」は、お墓を持ちたいが後継者がいない、家族墓にはこだわらないという人が利用できる。33回忌までは骨壷で保管し、その期間を過ぎたら白蓮堂内の土に埋葬する。

・いつでも自由に参拝できる
最近は忙しい人が多く、夜しかお参りができないということもあるようで、長龍寺は朝6時半から夜10時まで本堂を開放している。この時間帯はいつでもお参りができる。「浄土真宗のお寺はお参りしたいときにお参りができる」というおおらかさを大切にしている。

・冥加金:一坪230万円以上(外柵含む)
・護持会費(管理費):年間8,500円以上(2019年5月現在)

イベント情報

彼岸会法要 (春:3月の彼岸中日、秋:9月の彼岸中日)

春と秋の彼岸に本堂でおこなう。

はなまつり(4月第1日曜日)

お釈迦様の降誕を祝う会。花御堂に安置された誕生仏に参拝者が甘茶をそそいでお参りをする。佛教婦人会が作った料理も振る舞われ、多宗派の参拝者も多く訪れている。

お盆会法要(8月12日午後2時)

ご先祖のご縁でみ教えに遇えたことを喜び、感謝する法要を本堂でおこなう。

報恩講(10月第3日曜日)

親鸞聖人の命日である11月28日(旧暦)に、その恩徳に報謝する法要を本堂でおこなう。

秋の文化祭(11月23日の前後5日間)

「芸術の秋」にちなみ、11月23日をはさんだ5日間、第二門徒会館にて門徒ほか近隣在住者などが製作した作品を展示する文化祭を開催。絵画や写真、陶芸などのほか、仏像などの塑像を鑑賞することができる。多宗派の人でも出展することができる。

寺院情報

寺名(ふりがな) 金林山 長龍寺 (きんりんざん ちょうりゅうじ)
住職 杉山 保代
郵便番号 〒259-1114
住所 神奈川県伊勢原市高森1102
電話番号 0463-95-3247
交通

小田急線小田原線「愛甲石田」駅北口から徒歩約15分。

駐車場 50台
地図