もともとは在家で幼稚園教諭をしていた私が長龍寺に嫁いだのは昭和53年です。長龍寺の26代住職だった夫とはお見合い結婚でした。なぜか別々の人から夫のお見合い写真がふたつも届いたのです。これも何かのご縁だと思って結婚し、長龍寺に来ることになりました。私が27代の住職になったのは、平成4年に夫が亡くなってからです。以降は子供たちとともに長龍寺を守り続けています。
法要などでお話しをするときは、施主様のお気持ちがやわらかくなるような法話をするように心がけています。そしてそこに笑いの要素を取り入れるようにもしています。笑っていただくと皆さん楽しい気持ちになってお帰りいただけますから。来ていただいた方には、ホッとした気持ちになってお帰りいただけるといいですね。
女性の住職は珍しいと言われることもありますが、かえってそれが安心感につながることもあるようです。ご主人を亡くされたある女性は、男性のご住職よりも女性のほうがいいと当寺にいらして、そのまま門徒さんになってくださいました。私自身も夫を亡くしていますから、その苦しさや寂しさ、その後の暮らしがどう変わっていくのか理解ができます。そういった方の気持ちに寄り添って、苦しみが少しでも解消できるようなお話をして差し上げることができるからなのでしょう。
夫と結婚するまでは、自分が住職になるとは夢にも思っていませんでした。しかし今ではそれがよかったと思えるようになっています。普通に主婦をやっていただけでは経験できないようなことがたくさんありますから。門徒の皆さまとも家族のように楽しく交流させていただいていますし、いろいろな場面で支えていただいています。そして何より、阿弥陀様が守ってくださっていると感じることができるからでしょうか。気持ちの持ちようですが、大けがをしてもおかしくない自動車事故でけがひとつなかったことがあります。そのときは「阿弥陀様が守ってくださったのだ」と思ったものです。
休日は読書をしたり映画を観たりして過ごすことが多いのですが、テレビのサスペンスドラマが好きです。中でも「相棒」シリーズや「浅見光彦」シリーズはよく観ています。西村京太郎さんや山村美紗さんのシリーズも好きで、原作本も全部持っているんですよ。